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形態の成り立ち、由縁

170104のdirectionについての補足(?)


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多摩美北側バス停前を敷地としたコンプレックスの設計。

(170106の提出の仮テキスト)
多様な活動を受容し、それらをつなぐ場を目指した。

まずそのような場として、
古代ギリシアアテネで採用されていたアゴラを参照とした。
アゴラとは、神殿や役所のような施設、店舗などを周辺に配した広場である。
そこでは人々がを集会を行ったり、酒を呑みながら熱く議論したり、
多様な活動が行われていたという。
アゴラに倣い、広場を中心にその周辺にそれぞれの機能を置くこととした。

広場には、影を落としたくなかったので、ボリュームを北側に寄せたが、
そのままでは、柚木街道側から巨大な壁のよう圧迫感が生まれてしまうと予想された。
それは避けたいので、左右にボリュームを割り中央から広場に抜けの空間をつくることで、
壁のような圧迫感が消し、加えて広場に良い開放感が生まれた。


ボリュームの置き方が決まり、さらに、建築の形状を決めていく。
そこでは、従来の柚木街道を東から進んでくるときに、
一番最初に見えてくる多摩美の建築である本部棟や絵画棟の
ぼこぼことした特徴的なファザードのイメージを反復させた。

これらの建物では、少しだけ張り出した2階の軒下や、
踊り場と廊下のどちらとも呼べない場、入り組んだ廊下の曲がり角、
なんとも言えない空間の隅で、自由気ままに過ごす人が多く見受けられる。
ぼこぼことした形状に引っかかれるような、
なんとなくたむろできるような絶妙な空間が生まれていた。

ボコボコとしたイメージを反復することで、
ふらっと来てついつい長居してしまうちょうど良い空間、
心地よい時間を過ごせる絶妙な空間を探せる余地、とっかかりを作ることができた。

アゴラの参照は何億番煎じなの?ということ、
引っかかりは平田のからまりしろのパクリでは?ということはここでは言及しません。



前回書いた、

単純に形態そのものについてや、その形態の発生している由縁であったり、
形態やその状況の意味の不明さというものであったりのほうに関心があったりなかったりする

について

別の言い方をすると、
何もないところから、えいや!っと線を描き色を塗るのには抵抗があって、
その設計がどのように設計されているか、
その形態がどのようなことに紐づけられているか、
そのあたりを明確にしながら制作をしていきたいという感じです。

そういうこともあり、今の段階だと、
最初にのせたプレゼンボードの画像のように、長々とテキストを書いてあります。



教員からは、いちいち由来なんていいから、
プレゼンのときはどんな活動をするどんな空間を作ったかどうかだけ話しなさいと言われました。
形態の成り立ちについてをだらだらとしゃべらなくてもいいという指導と、
設計に際して考えなくても良いということは、別なので教員の指導がおかしいという意味ではないですが、
その成り立ちについて、自分は関心があるのでプレゼンでもだらだら喋りたい気もします。

プレゼンでだらだら喋るのかどうかを別にしても、
物そのものよりも、物とその成り立ちとの間、物のその背後にあるなにかが気になっているので、それを追いかけたいと思っています。
(やばい何かやばい建築を凄いなとは思うことがありますが)

その形態がどのように設計されているかをまず考えていきたいということについてに
設計の過程ではなく、成果物の質に執着しろ。
何かを作る人としては、まずは作品そのものの魅力を第一に考えるべきでは?
という指摘があったので、後で追記します。



形態の由縁の考え方について、文脈とともに評価されている作品として教えてもらったものなど(調べ次第随時追加)

マルセロ・デュシャンの泉(1917)
男性用便器に架空の人物のサインをしたもの。
レディメイドの概念の発生。

ジャクソン・ポロックのポーリング、ドロッピング(1943-)
カンバスと離れた刷毛から絵の具を落とす手法(アクションペインティング)で抽象絵画表現を探求。

ジョン・ケージ4分33秒(1952)
実験音楽家のケージが無音の不可能性に対して制作。

磯崎新群馬県立近代美術館(1974)
師・丹下健三の独自のプロポーションによる美の解体を目指し、
1200mmのグリッドを基準に設計している。




やばい何かやばい建築
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参照

磯崎新をどのように読み継ぐか──批評・手法・歴史をめぐって
浅田彰京都造形芸術大学教授)×岡﨑乾二郎(美術家・批評家)×日埜直彦(建築家)
http://10plus1.jp/monthly/2014/10/issue-01.php