170327

最近、htmlとCSSを弄ることと、Adobe Illustratorで作業することを並行して行なっていた。
その中で、Illustratorの不便さのようなものを少し感じた。


それは、CADで語られるパラメトリックと非パラメトリックに少し似ているのかと思う。


htmlの方では、htmlの方に必要なテキストを記述し、別ファイルに装飾のためのCSSを書いた。
その為、テキストの変更はhtmlで、デザインの変更はCSSでというかたちにになっている。
1つのCSSをそれぞれのhtmlで読むようにしたので、トップのページやその下の階層のページのデザインは一括で管理出来る。
この状態から、デザインを変更したい(文字のフォントや色を変えたい、背景を変えたい、配置を変えたいetc)場合は、1つのCSSを弄れば済む。


Illustratorの方では、似たようなフォーマットを複数ページ作ろうとした。
page01.aiのデザインを修正すると、page02.ai、page03.ai、、、pageN.aiまでのN個のファイルを修正するはめになった。
1つのファイルのパラメータを他ファイルにもまとめて適応されてくれよ、と思った。
(1つのファイル内で複数のページを作ってレイヤーなりで管理しながら、⌘Aでどうにかすれば良いのかもしれないけど)
(ちゃんと調べれば、何か方法があったのかもしれないのですいません知識不足です。)


ここでの作業の違いは、パラメトリックデザインと非パラメトリックデザインの違いに似ている(のかなと思った)。
もにょもにょしたものをパラメトリックデザインと呼ぶような風潮もあるが、ここでは履歴やパラメータを保持してデザインしていくものの意とする。


パラメトリックデザインでは、適当なパラメータをあてて、関係性をどんどん決めていくことができる。そしてある程度出来た後にパラメータを調整して、デザインを変える修正することができる。
パラメトリックデザイン(ダイレクトモデリングとも呼ばれる)では、ヒストリーとして何かが残っているわけではないので、あとで前の段階で作ったものを修正ということは基本的に出来ない。


パラメトリックの機能が必要なのは、試作を繰り返す際の作業効率を大事にするような製造業というイメージがあるが、そうでない環境でも付いているとても便利だ。
(製造業向けのソフトウェア、SOLIDWORKS、Inventorなどには必ずついているはずだ)


htmlとCSSでは、CSSの方で、でごにょごにょ関係性を記述しているので、パラメトリックデザインのように、CSSを触ることでパラメータだけを後でいくらでも変えることができるし、関係性を決めたCSSを読み込んであげれば、読み込んでいるhtmlファイルをまとめてデザインが変更できる。
逆に、illustratorでは、オブジェクトが違えば色の塗り替えや、フォントの変更ができるが、ヒストリーをいじることはできない(非パラメトリック的)。おのおののオブジェクトを変更することはできるが、複数ファイル、複数オブジェクト、複数ページにまたがるものはまとめて変更できない(ちゃんとやればできるかも)。


パラメトリックデザインと非パラメトリックデザイン、もしくは、ヒストリーかダイレクトと二項対立的に語られるが、僕の個人的な感想は、前者の方が圧倒的に便利で、非パラメトリックな環境はあまり使いたくないなと思った。


自分のPCには入っているソフトで言えば、Rhinocerosでは、ヒストリーをつかわずにも(一応あるがデフォルトの設定でオフになっている)、grasshopperによりパラメトリックが可能となっている。
また、Autodesk Fusion360は、基本は無料のソフト(有料ユーザーでも安い)であるが、ヒストリーが付いているのでパラメトリックデザインが可能だ。


しかし、平面へのデザイン、グラフィックデザインの標準ツールとなっている、illustratorでは、積極的にパラメトリックを使えるわけではない。
また、スクリプトという機能もあるのだが、それは、便利な拡張機能を作るということが多いようだ。
illustratorパラメトリックを持っていないので、僕はカッティング用のデータなどであればRhino+grasshopperで作り、.aiで書き出すことが多い。


グラフィックを作るのであれば、processingやopenFrameworksで、自分でコードを書くのでパラメータをいじれるようにつくることができる。
illustratorに耐えれなくなったらパソコンがもっとできるようになったら、illustratorから離れ、別の環境で制作するようになるのかなと思った。
(後で修正する必要がないようなすごく簡単なものであれば、ヒストリーはいらないので、illustratorや、wordでサクッと作れば済むのだけど)


ちなみに、自分の周りで多くの人が使っている、ヴェクターワークスではヒストリーが基本的にないが、シンボル等の機能があり、部分的にパラメトリックデザインのように使えるようだった。


いろいろ書き出してみると、grasshopperやFusion360のようなパラメトリックデザインが可能な環境はとても優れているなと改めて感じた。
そして、illustratorで不便な思いをしまくてもいいように、コードを書ける力をつけたいと思った。