3D CGのレンダリング時間、「STAND BY ME ドラえもん」

Blenderで約4秒間(125フレーム)のCGアニメーションを制作しました。
レンダリングが、1280ピクセル x 720ピクセルのサイズで、30時間かかりました。

その待ち時間の間に、山崎貴が監督したCG映画「STAND BY ME ドラえもん」のレンダリングがどんなものかと調べてみたのでまとめておきます。


3DCG映画『STAND BY ME ドラえもん』制作秘話 - スタッフが追求した徹底的な「リアル」とは (1) 1年半以上かけてキャラクターやひみつ道具を3D化 | マイナビニュース

【特集】【本日公開】映画『STAND BY ME ドラえもん』制作の舞台裏 ~『ドラえもん』がフル3D CGに - PC Watch

ASCII.jp:えっ、指紋つきのドラえもん!? 3DCGに込められた「質感」へのこだわり (1/3)

しばらく引用が続きます。
引用はあまり良くない(引用とわかるようにしているのでコピペとして怒られることはないのかなと思います)のですが、
インターネット上の情報は、記事が(場合によっては掲載メディアごと)消されて消えてしまったり、URLが使えなくなってしまったりと、情報が保存されないことがあるので、今回は引用というかたちにします。

制作期間は、企画から4年、実作業で3年半。そのうち制作の準備段階で1年半もかけている。この準備をしっかり行うのが白組の制作スタイルだ。映像を制作する行程について、八木氏が教えてくれた。
マイナビニュースより)
(補足 : 八木氏とは、山崎とともに監督した八木竜一)

リアルさを表現するにあたって、質感の表現にも新しい技法が取り入れられている。「サブサーフェイス・スキャタリング」と呼ばれる、光が皮膚などの表面を透過して、内側が透けて見える様子を再現する技法が、ひみつ道具や、キャラクターたちの肌にふんだんに使われている。未来のひみつ道具はより未来的に、キャラクターは生身を感じさせるような暖かみのあるリアルな質感となった。

とはいえ、サブサーフェイス・スキャタリングは負荷のかかる処理でもある。レンダリング環境はメモリを32GB以上に統一していたが、複雑なシーンでは、1枚の絵をレンダリング(計算)するのに、6時間かかることもあったのだそう(映画は95分あり、12万枚以上の画像が必要)。

それ以外の一般的なシーンでも、1枚あたり1時間かかるのは当たり前。リアルなキャラクターやひみつ道具が完成した裏には、質感にこだわり抜いたスタッフの職人魂があったのだ。
マイナビニュースより)

一般的なシーンを描くのに用意したポリゴンデータは、背景データとキャラクターデータを合わせて4,000万ポリゴン前後。
ちなみにキャラクターをレンダリングする際にも、こうした背景データからの陰影や映り込みの影響が計算されている。
ドラえもん」で29万ポリゴン前後、のび太で86万ポリゴン前後という
マイナビニュースより)

空き地のシーンは、空き地部分だけで約1400万ポリゴン、周辺にある塀や民家を合わせて約3500万ポリゴンで構成されている。
使用している3DCGソフトはオートデスクの「3ds Max」
マイナビニュースより)

実際の映像制作に使われたデルのワークステーション「Precision T7600」。
スペックはCPUがIntel Xeon E5-2665(2.40GHz)、メモリが64GB、ストレージが500GB SATA3 HDD、OSがWindows 7 Professional 64bit
マイナビニュースより)

ここまでマイナビニュース

「各シーンでは、まずキャラクターの骨組みのような単純なモデルを用いて、動きなどを作り込んで行きます。それから最終的にレンダリングを行なう段階で実際のモデルと差し替えていくんです」と説明する。

実際のモデルと差し替えた後、いよいよレンダリングが始まるわけだが、白組では数百台のマシンを用いて、CPUでレンダリングを行なっているという。レンダリングにかかる時間は、今回の『ドラえもん』ではまだすべては計測していないそうだが、鈴木氏によれば「前回の『friends もののけ島のナキ』では1フレームあたり約12分を想定して制作していました。『ドラえもん』では1枚あたり1時間なんというのはよくありますよ。タイムマシンが手前に迫ってくるような、非常に重いシーンでは、1フレームあたり6時間かかりましたね」という。
PC Watchより)

『STAND BY ME ドラえもん』の制作には、デルのワークステーション「Precision T7600」が6台利用された。導入期間は2012年11月から2013年の2月。主な仕様としては、CPUにXeon E5-2665(Sandy Bridge-EP/8コア/2.6GHz/L3キャッシュ20MB)、メモリ64GB、500GB HDD(7,200rpm)、OSにWindows 7 Professional(64bit)などを搭載している。

鈴木氏は、「当初はPrecision T5500を利用していたんですが、制作の中でスペックを強化していきました。最終的に合成のチームはPrecision T7600を、レンダリングには同じくデルのOptiPlexシリーズを多数利用しました」と説明する。
PC Watchより)

ここまでPC Watch

白組 CGスーパーバイザーの鈴木健之氏「キャラクターの計算をするにも背景データがちゃんとなくちゃいけないんです。たとえば、空き地の中だけで1400万ポリゴン。外の民家とかも3500万ポリゴン。リアルタイムでは開けないですね。計算して初めて絵がわかる。ちなみにキャラクターで言うと、ドラえもんが29万ポリゴン、のび太が86万ポリゴン。一般的なシーンで、4000万ポリゴンぐらいです。データは最終的にレンダリングサーバーに全部集約されるんですが、普通のマシンでは耐えられないですね。ピーク時は数100フレームと計算したものが1週間帰ってこない。失敗すると大変です、全部撮りなおさなきゃいけないので(笑)」
アスキーより)

ここまでアスキー


引用終わります。




これらの記事より、レンダリングについての情報をまとめると、

「STAND BY ME ドラえもん」は、1時間30分程度。
フレームに換算すると、約12万フレーム

1フレームに10枚程度の画像を合成する。
そのため、12万フレームを作るためには、
約120万枚のレンダリング画像が必要

1枚のレンダリング画像を
レンダリングするのにかかる時間は1時間から最大6時間

記事によると、
PCはレンダリング用のマシンは200〜250台。


これらから、概算すると、
200台のPCで、120万枚のレンダリングをする、1枚あたり1時間かかるとする。

120万枚 ÷ 200台 = 6000枚/台

6000枚を処理するのは6000時間なので、
1日24時間に換算すると、250日

つまり、失敗することや、負荷が大きいカット、長い尺など、
また人間の労働時間を無視しての概算になりますが、レンダリングだけでほぼ1年かかっている。


レンダリングにとりかかる前に、3Dモデリング、テクスチャの構築、
アニメーションにするための骨やカメラのコントロールなどの作業がある。



ちょっと考えてみるだけでとても恐ろしい作業です。。。

3D CGは札束で殴りあうしかないという例えを聞くことがありますが、
レンダリングの処理を軽くする工夫も絶対必要ですが、
最後はマシンの人海戦術になるのだろうなと思いました。