240609

東京都同情塔 - 九段理江

第170回芥川賞を受賞。登場人物は建築家、AI の活用など個人的なホットワードもあり、がんばってちびちび読んでいた(最近毎日電車に乗って通勤しているので元気さえあれば本を読み進められる)。

主体が入れ替わり、時系列もスライドし、ちびちび読みでも楽しく読めるような一本の筋の書き方ではないので、普段の仕事に追われている最近の自分には個人的には合わなかった、かも。

一般に商用流通に載っている書籍にはあまり見られないような(これは僕の勉強不足?)、補足の表現や、AI との対話、作中でのメタ的な別テキストの挿入など、技巧的な部分はたぶん嫌いではないが、疲れすぎているとちょっとうっとおしいという感じ。

つまらないというわけでもないし面白いと思うが、ほかの人に勧めるかと言えばわからない。

言葉を選ぶということを僕はあまり出来ないので共感できないのかもしれないし余裕があればもっと楽しめるのかもしれない、が一度読んでみた感想はこんな感じ。


本筋とは別ですが、表紙の絵や文字など非常に秀逸だなと思いました。絵の部分は安藤瑠美さんの TOKYO NUDE シリーズらしい。

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(終わり)