230627

日曜日に神楽坂セッションハウスに、BOILING MIND 3.0 というコンテンポラリーダンスの公演を見に行った。

ダンスの体験を拡張するために、慶応メディアデザイン研究科(KMD)のハードウェアを身に着けるものらしい。KMD が携わっているハプティックデバイスはマテリアルに転がっている紙コップのものを見たことがある程度で事前知識は無い状態での参加。

画像はこちらよりお借りしました。
https://twitter.com/MadeCinema/status/1672856943671791616?s=20

公演は2部制で、そのあと簡単なアフタートークという構成。

第1部では、振動するデバイスを身に着けた状態で、力強いダンス。

演者はブッシュマンというチームらしい。 www.bushman.jp

バイスとしては、FDM の 3D プリンタ製の筐体に振動素子?を入っていて、直線と巻いた形の2つの形に決まる蛍光バンドで腕に巻くというもの。ゴムバンドやマジックテープで工作するよりも工数が少なく思えるのでうまいなと思った。

制御と給電は有線で、制御は電流量で、椅子の下に制御ボックス、制御ボックスが PA 卓に繋がるという感じ(多分)でトリッキーな仕様はなさそう。

アフタートークでの解説によると、PA 卓でリアルタイムで Mix している的なことを言ってた気がする。良かれで作っているのかわからないが、振動付きでの体験としては 4DX 映画のような気がする。知らんけど。

力強いダンスの迫力もあり、デバイスの振動があっても不快な感じは無くまあ普通にマジですごいなって感じた。圧倒されたが振動デバイスの存在がプラスなのかマイナスなのかは不明、比較対象が無いのでわからん。強いていえば、片手につけるのじゃなくてもよいのかもな。

舞台上の箱が、市販の塩ビ?パイプとジョイントパーツで作られているなと思って、最初にまあ安く軽く作るならそれやねとちょっと舐めた目で見てしまったが、公演中に多少歪む感じなど逆に生々しくてすごく良かった。軽いし、あれがベスト解なのかもしれない。

箱の頂点を仰向けの体に乗せ支えていたシーンでは、見ている側だけど力を入れて見入ってしまった。

第2部では、心拍センサとその情報を RGB の LED に返すイヤリングと、腕につけるセンサを身に着けて、女性のメインのダンス。

演者は、マドモアゼル・シネマ + 笠井瑞丈。 www.mademoisellecinema.net

イヤリング型のデバイス(e-lamp というものらしい)は耳たぶを挟むタイプのセンサを利用したもので、センサから3本の線が出てガチャポンの玉のようなΦ25ミリほどの球形の筐体に繋がっていた。その中には RGB それぞれの LED と電池と何らかのチップが入ってそうだった。適当なロガーや発信機を組み込む(組み込まれているのかはぱっと見ではわからなかった)より、天カメラ一発で観客全員を映せばタイムラインが揃ったデータがある程度とれるはずので仕組みとしては多分リーズナブルか。腕に巻く心拍センサは無線で値を飛ばしているだけっぽい。

失礼ながらこちらのパートではダンスやデバイスよりも、演者が持っていた割れた意匠の鏡に無線のカメラが仕込まれてそうだったのに気づいた?ときにうまいなーと思ってしまった。演者がその鏡をもって別の演者とスクリーンを移して、それがスクリーンに映ったときとか、単純に絵としてかっこよかった。

イヤリングの色が自分に見えるわけでもなく、観客を映した瞬間に何かがわかるわけでもなく、失礼な言い方をすると普通のエフェクトがかかってスクリーンに映っていても特にわからず。併せて円柱の柱と打ち放しの壁にただ投影した感じに見えてしまって、今一歩没入できず。。。

前半の力強いダンスの余韻もあったかもしれない、第1部と第2部が逆だったらこの感想は違ったかもしれません。

アフタートークでは簡単な解説があったが、やるならもう少し長くしゃべってほしかったという気持ち半分、地下劇場?みたいな(実際に地下ではあるが)狭い会場の狭い椅子なので早く終わってくれてうれしいという気持ちは正直あった。

ダンス全般に対して素人の感想として、身体を鍛えている人の動きがかっこよくて、普通にそれはマジでかっこいいなと思った。圧倒されてしまった。鍛えたい(?)。

会場のブログ
fromstaff.exblog.jp

(終わり)